So-net無料ブログ作成
美術館 ブログトップ

カイユボット展 - ブリヂストン美術館 [美術館]

20131018caillebotte.jpg


ブリヂストン美術館で開催されているカイユボット展へ

ギュスターヴ・カイユボットという名すら知らなかった頃、オルセー美術館で目にした「床を削る人々」。
窓からの光が床に落とす印影と黒光りした床にも興味をひかれたが、特に気になったのはその画角。
長らく写真を撮ってきた自分にとって、この絵には写真的な画角を感じ、強く印象に残った。
(残念ながらこの作品は今回展示されていない)

そして今日、「ヨーロッパ橋」という作品を初めて見て、彼の作品と写真的な画角の近さを今一度強く感じた。
それはまるで20~28mm位の画角で撮影したかのような絵画だったからだ。

今まで彼の作品がなぜ写真的と感じるのか疑問でならなかったのだが、今日の展示を見て大変納得した。その理由は、彼の弟マルシャルが写真を撮っていたことを示す展示。ただし、キャプションには、マルシャルが写真を撮っていた時期と、ギュスターヴが絵を描いていた時期はあまり重ならないために、弟の写真を参考にしたかどうかは不明と書かれていた。しかし、その時代、そしてブルジョアだった彼らの周りには、写真もたくさんあっただろうと思われ、やはり写真との関連性は否定できないようにも思う。
そして順路に従って進むと、弟マルシャルの撮影したパリの街並みや郊外の風景写真が多数展示されているエリアが現れる。写真作品として見るべきものがあるとは思えないが、それらはみな「まじめな写真」と言った印象。

写真はこれら印象派絵画の時代よりもずっと後だと思っていたが、調べてみればカイユボットの時代には、ちょうど写真が発展しはじめた頃と符合するようであるし、アジェはマルシャルのわずか4年後の生まれだ。
写真と絵画の関係性と、表現方法についての双方の葛藤。そんなことを感じる展示だった。

カイユボット展示HP: http://www.bridgestone-museum.gr.jp/caillebotte/
カイユボット展ブログ: http://caillebotte.hatenablog.com/

薩摩切子の輝き [美術館]

090422-kiriko-2.jpg

鹿児島の尚古集成館を初めて訪れた時、特に衝撃を受けたのは、薩摩切子だった。
およそ150年前のガラスとは思えないほどの、その透明感には驚くばかりだった。

そして今、六本木のサントリー美術館で、”一瞬のきらめき まぼろしの薩摩切子”という展覧会が開催されている。
そして、ようやく時間の都合がつき、見ることが出来た。

この展覧会は、鹿児島で見ることのできる薩摩切子だけでなく、その起源や歴史に加え、海外へと輸出されたものも今回数点里帰りしており、多くの薩摩切子を一度に見ることができる点でも非常に貴重な機会だ。

そこで見た中で、特に感銘を受けた点をいくつかご紹介したいと思う。

No.112 薩摩切子 雛道具1式
篤姫所用と考えられているもの。元の大きさのおよそ1/3にも満たないような非常に小さなグラスや皿にも、非常に緻密なカットが施されている。ガラスだけでなく、装飾品にもしっかりと蒔絵がほどこされているところも驚きだ。

No.99 薩摩切子 藍色被船形鉢 1口
19世紀中ごろの製作とは思えない、高い透明感とやわらかな藍のビネットが美しい。本展覧会で一番衝撃を受けた作品の一つだ。

No.71 薩摩切子 緑青色被蓋物 1合
薩摩切子は色々と見てきたつもりだが、この奥深い緑の色被せは初めて見た。エメラルド色のようで、しかしまたそれとは違う、言葉には表しがたいとても素敵な色だった。

(上記のNo.は、展示作品のそれぞれのプレートに書かれた番号)

どのガラスも素晴らしく、思わず見とれてしまうのだが、器の美しさだけでなく、トップから当てられたライトが、これら切子を通して下に落とす影もこれまた美しかった。

薩摩切子は、島津斉彬の時代に隆盛を極めたが、斉彬の死後は急速に衰退してしまったという歴史を持つ。海外でも高い評価を受けていたこともあった薩摩切子の歴史が、わずかの短い間で終わってしまったことは、非常に残念なことであったが、その後”薩摩系切子”として流れを受け継ぐものも現れた。今回の展覧会でも、数多くの貴重な展示で歴史を知ることが出来たという点でも、非常に興味深いものであった。
また、ミュージアムショップで販売されていたカタログは、写真の質も高い上、資料的価値も非常に高いが、比較的リーズナブルな値段で、私も一冊購入した。(上の写真)

なお、現在は鹿児島において、薩摩ガラス工芸が薩摩切子の復元したものを製造、販売している会社もある。さらに当時は無かった新しい色(特に黄色)や、二色被せ等を創作切子として製作も行われている。

昔から、どうしてもひとつ欲しいと思っているが、その夢はまだかなっていない。
そして、その思いを更に強くするには十分過ぎるほどの、大変見ごたえのある素晴しい展覧会だった。

サントリー美術館 http://www.suntory.co.jp/sma/index.html
尚古集成館    http://www.shuseikan.jp/
薩摩ガラス工芸  http://www.satsumakiriko.co.jp/

美術館 ブログトップ
メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。